ロケハンから考える-身近な場所を見つめ直すことの大切さ

カメラの一番の面白さは、やはり「綺麗な写真」が撮れた瞬間ですが、
撮影を行うまでの一連の流れを思い返すと、他にも面白いことがあります。
それが今回のテーマ「ロケハン」です。

ロケハンとはロケーション・ハンティングの略語です。
ロケーション・ハンティング(location scouting)は、映画やテレビの制作において、主に屋外のロケ地(=スタジオ外の撮影場所)を探すことを指す和製英語である。

ロケーション・ハンティング – Wikipedia

引用文にもあるように、テレビではロケハンという言葉を多くの方が聞いたことがあるかと思いますが、「綺麗な写真」を取りたいと思うなら、カメラにおいてもロケハンは大切なことです。
カメラを始めたばかりの頃は、飛行機が飛んでいようもんなら「逃すまい」という気持ちで、パシャパシャとむやみやたらに撮っていました。
最初のうちは一眼レフの画質の良さやズーム機能に感動しきりになるのですが、
やはりそのうち「ちょっと飽きたな…」とカメラから気持ちが遠ざかってしまいそうになるんです。
そんなときこそ、ロケハンを事前に行うことが大切になります。

私が考える「ロケハンの大切さ(なぜロケハンをするのか?)」は2つあります。
1つ目は、先にもあげた「新しい撮影スポットの開拓」です。
私はカメラを生業としているわけではないので、旅行などで県外に行かない限りは、住んでいる地域が常に撮影スポットになります。
なので単純に飽きないようにということがひとつです。
2つ目は、「綺麗な写真」を撮るためです。
もちろん技術的なことも必要ですが、それよりも先に必要なのがその時の条件を知ることです。
条件とは滑走路運用方式(飛行機が飛んでいく方向)や太陽の方向(光源)、雲の位置などが挙げられます。
その時々の条件にあった撮影場所を選ぶことが綺麗な写真を撮るためにはとても重要になります。

ロケハンで新しいスポットを発見しても、やはりうまく行かないときの方が多いです。
例えば飛んでくる機体の角度が良くなく、画的に満足がいかなかったり、
また思ったよりもズームで寄れずに機体が小さくなったりしてしまうことがあります。
そのため撮影しても、すぐに消去し、その日の収穫がないこともあったりします。
ですが、その中でも綺麗な写真が撮れたときはすごく嬉しいですし、
「もっといろんなスポットを見つけよう」とロケハンにもやる気が出てきます。
もう一つこれは撮影に限らないことですが、今まで感じたことがなかった身近な「その地」の素晴らしさを発見できることがロケハンでの楽しみのひとつです。

「今まで感じたことがなかった身近な『その地』の素晴らしさを発見できること」という点についてもう少し考えてみると、
このことはカメラをやっている方に限らず、どんな方でも自身の楽しみを広げるチャンスになり得るなと考えています。
「ロケハン」というと撮影者しか行わない作業ですが、言い換えると「その場所をじっくりと観察する」ことだと思います。
見慣れた・行き慣れた場所だと無意識的にそこで過ごすことになりがちですが、
そこを意識的にじっくりと観察することで、今まで気づかなかった「その地」の小さな面白さに出会うことができます。
私はロケハンでなくても、すぐ行ける海沿いの場所に散歩しにいくことがあります。
そうでないときもありますが、好きな音楽を聞きながらゆっくり歩くことで、
音楽とシンクロしてその場所、その瞬間が綺麗に感じ、感動的な気分を味わえます。

楽しい気持ちを味わいたいと思うとき、今自分自身が持っていない何かを得たいと人間誰しも真っ先に考えてしまうのではないでしょうか。
もちろんそれは生きていく上で必要なことですが、そればかり考えてしまうと、いつも何か物足りなさを感じてしまう原因となります。
気持ちのバランスをとってみるためにも、自分の身の回りをもう一度見つめ直す必要があると思います。
その一つの方法が、見慣れた・行き慣れた場所を「じっくりと観察する」ことではないでしょうか。

今回は「ロケハンから考える|身近な場所を見つめ直すことの大切さ」というテーマでお話してきました。
カメラを通じて学んだことで一番大きなことは「身近な場所からの小さな発見」でした。
じっくりと観察することで、特徴や変化に気づくことができることに気づけたのは、自分の今後にとっても良い影響があると感じています。
それはカメラ撮影をやっていなくても、そこに気づくことができると考え、今回記事にしてみました。
これからもカメラを通して、考えたことや感じたことを残していきたいと思います。