私は映画やドラマ、アニメ、マンガなどにこれまであまり触れたことがなく、
どちらかというと、ノンフィクション(ドキュメンタリーや自伝)の誰かの実話に基づくものを好んでいました。
なぜなら実際に経験した実話からの方が現実的で、そこから自分の今後に活かせる材料になると考えていたからです。
フィクションをあまり見ていないのに、「食わず嫌い(?)」をしていて、
「もちろん見たら楽しいけど、でも作りものをみて時間を使うぐらいなら、今後の役に立つことに時間を使った方が良いのにな」と思っていたぐらいです。
しかしある海外のドラマがその安易な考え方を変えてくれました。
それは今年Netflixで話題になった韓国ドラマ「愛の不時着」を見たことがきっかけでした。
内容はさておき(もし見ていないのであればぜひ見てください!笑)、
最終話を見終わった後、スマホの画面からぱっと顔を上げて、愛の不時着の世界から現実世界に戻ってきたことを実感すると、かなりの喪失感(ロス)を感じました。
「楽しみがひとつなくなったなぁ」とか「明日から仕事だ・・・」とか考えてしまい、悲しい気持ちになりました。
あまり味わったことない気持ちに逆に興味が湧き、「なぜこんな気持ちになるんだろう」と1時間ほど考え込んでいたぐらいです。
そこから「フィクションって面白いし、生きていく上で必要なもの」とフィクションに触れることの大切さについてやっと気が付き、考え方を改めるきっかけになりました。
フィクションに触れて考えることとしては、作品の物語を楽しむ(その世界に入り込む)ことはもちろん、そこから見失っていた、もしくは新しく発見したことなど、自分自身を考えるきっかけになります。
例えば、愛の不時着では北朝鮮がメインの舞台となっていますが、そこで描かれる人々の暮らしを知ることができます。
どこが本当で、どこが創作かは判断できませんが、そこで描かれたことと自分の暮らしを比較して、
いかに自分が不便ない生活を送ることが出来ているなと思う一方で、
主婦の方々が一緒に仕事や井戸端会議で世間話をしたり、子どもたちがその周りを走り回って遊んでいる姿を見て、生活地域内での人々の交流から温かみを感じました。
自分自身に置き換えて考えると、自分が小さい頃は多少はあったものの、今はご近所さんとの付き合いもあまりないし、周辺にどんな方が住んでいるかもわからないぐらい、生活地域内での人との交流は全くありません。
そういったことを感じると、「こういうことも大切だよな」と自分について考えるきっかけになります。
また日常生活の中では、やるべきこと(学校や仕事、家事、子育て)が多く、意識しないとそれをこなすだけで、振り返りや先のことについて考える余裕がなくなってしまうと思います。
そうなると、視野(見方)が狭くなった中で物事を判断してしまうことになり、考え方が窮屈になってしまうかもしれません。
そんなときこそ、フィクションがあなたの視野を広げてくれる手助けをしてくれると思います。
フィクション(=他人の物語)は、そこから自分の物語を創っていくことができます。
自分の物語とは、自身の理想や大切にしたいことなど、自分がこうなりたいと思う世界のことです。
私自身の物語は、「沖縄×飛行機×景色」をテーマにした写真撮影していて、その中の飛行機の部分であるドラマの影響を受けて、飛行機に強い想いを抱くきっかけになりました。
それは私が小学校2年生ぐらいの時見た、パイロットを描いた木村拓哉さん主演の「GOOD LUCK!!」です。
航空の現場でグランドハンドリングスタッフとして勤務したこともありますが、
やはり「何かしら飛行機と関わることがしたい!」と思い、探し出した方法が飛行機の写真撮影でした。
フィクションには創作者のメッセージや世界観など、いろんな要素がつまっています。
今は周りに色んなモノやコトが溢れていて、「暇だな」と思うことが全くないぐらい、スマホがあれば手軽に楽しむことができちゃいます。
無意識的にそれらに浸かっていると、ただ受け身で消費するだけで、時間が流れていき、自分の頭で考える余裕すら気づけばなくなっているぐらいです。
ですが決してそれらは悪いものではなく、そこから自分の今後(生き方)につながる要素がたくさんあると思います。
それらをただ消費するだけでなく、そこから感じたことから膨らませて考えることができれば、他人の物語から自分の物語を作り出していくことができます。
フィクション(=他人の物語)と感じたことから自分の物語を創っていくには、それに触れることと考える少しの時間が必要なのだと思います。
今回は「人生にはフィクションが必要だ」というテーマで考えてきました。
もしかしたら、多くの人がすでにお気づきでいらっしゃるかと思いますが、私なりのきっかけでそれについて考えてみました。
ご覧いただき、ありがとうございました。